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『そのハミングは7』秋田健次郎さんのご感想から

 こんにちは。秋田健次郎さんからご感想をいただきました。ありがとうございます。

【読書日記】「そのハミングは7」 – 読書日記(時々スコップレポート)(秋田健次郎) – カクヨム 読んだ小説(たまに、カクヨム内の小説)を紹介するよ kakuyomu.jp

 カクヨムコンの受賞前、2024年3月の時点でスコップレポートをくださった秋田健太郎さん。書籍版もお読みくださり、とても長いご感想をお寄せいただきました。

 読んでいる間、血圧が10は上がった気がします。うれしいです。

 乙武洋匡さんが出ておられた番組の中で、うまれつき(先天性)の障害を持たれている方と、後天的に体のどこかの機能を失った人たちの場合における心の差が語られていました。

 乙武さんのように、先天性の障害を持っている場合、(それが生まれてから常に当たり前の日常であったから)誰かに手助けを受けても素直に「ありがとう!」といえる(人が多い)けれども、後天的に機能を失った場合は「すみません」という言葉が思わず口から出てしまう(人が多い)と。
 これまで出来ていたことがある日突然できなくなり、他者の力を借りなければ生活になんらかの困難をきたす状況に落ちいった場合は、障害を抱えた自分自身の中にも申し訳なさや「劣等感」のようなものが根を張ってしまい、それを払拭することはとても難しいのだと。

 これはその通りだと思います。差別しないでほしいと願うけれども、他の誰でもない自分自身が自分を「差別」「区別」してしまう、その悲しい心。健常者であったときの「自分」が、ある意味で心の中に別人格として残っているから、この葛藤は苦しみを生むでしょう。私も長期に闘病していましたが、闘病前と後では、まるきり生活が変わりました。出来ないことばかり増えました。体力も気力も別の人のようです。つねに心のどこかで以前の自分と今の自分を比べてしまいます。それは悲しいけれども事実です。今の「できない自分」をあるがままに認めてあげることがどれほど難しいことであるか。

 誰かに助けを求めることの難しさに、秋田さんも言及されていましたが、本当にその通りですね。トビーのように、大暴れしても、いえ、むしろ大暴れして、もがき苦しんで、這い上がったトビーは、すごいです。暴れなければ、沈んで窒息するのみだったかもしれません。だからこそ、ジャンはトビーを見つけてくれたのかもしれないですね。

 少しネタバレしそうな気配が出てきましたので、この辺で。

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虹乃ノラン拝

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