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3→4→3→4のスクアール《調和》
楽器のトライアングルには隙間が空いている。歯列矯正において、歯の間にできる隙間のこともトライアングルというらしい。
ところで、トライアングルの理想形は△だそうだ。何をいまさらと思うかもしれないけど、◇はどうなの、〇じゃだめなの。色々考えられて今のこの形になって久しいわけだ。
物事にはたどり着くべき調和がおそらく存在し、そこからわずかばかり外れていると、それを調整しようと様々な力が働く。ときにそれはけん制しあったり、弾きあったりして、やはり相対的に形を変えていき収まるところへ収まろうとする。
近況報告という形が、ふさわしいのかどうか。しかし一応書き留めておく。昨年5月に最愛の白猫の空を見送った。直腸腺がんだった。手遅れだった。しかし私は手術を選択し、空はそれからひと月とちょっと、頑張ってくれた。(4→3)
時はさかのぼり、5年前の3月。鍵しっぽのキジトラを豪雨のなか連れ帰った。その子はすぐに命にかかわる免疫疾患を患い、ながい投薬の末に生きながらえた。(3→4)
つい最近、皮下膿瘍で頬から首にかけて膿でいっぱいにしたキジシロをだきしめて病院へいった。扁平上皮癌なのではないかといてもたってもいられなかったのだ。癌ではなかったけれど、残念ながらFIV抗体陽性だった。しかし今その子は、うちの2階でくつろいでいる。(3→4)
この先数年の間に、残された最愛の黒猫は、空を追っていくだろう。(4→3)
1→0になるその時、それは私でなければならない。その決意。
0になることはこの世にとって自然なことなのだろうと思う。
そこはかとなく
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