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街ライトムーン
みなさんこんばんは。虹乃です。
住んでいるところの裏に公園があります。マンションとマンションの間にあり、昼間は子供たちが遊び、夕方には猫が水を飲みに来る程度の、ひっそりとした公園です。遊具は三つほど。
自転車で通り過ぎました。
月が覗いていました。街灯という名の月。
空を仰ぐと、桜が降り注ぎ、吸い上げられるような気持ちになりました。
空に、桜しか、見えない。
空に、星しか、見えない。
そういう光景はなかなか実はありません。視界をその対象のみで染めてみる。埋め尽くすとそこは、天と地がわからなくなる世界があります。
そんなことをふらっと感じた、夜でした。ピントはぶれていて、申し訳ありません。
戯言を残します。
外套を着込み外へ出る。誰もいない公園で、閉め損ねた蛇口からぽちゃんと水滴が一滴垂れる。その音に揺れたわけは無きにしも関わらず、空を覆う桜は揺れ、自転車を留める。降り注げ。振り仰げ。どちらが天か。どちらが地か。降り注げ。白き光とともに。
揺れよ、淀めけ。しなる弓は、たおやかに。肩肘張らず、咲かせる白き蕾はその瞳に朱に映り、瞬きする間に散りばめて、紅き華は真ん中に、何筋もの粉をしたためて、いつそれを撒き散らすのか。奪いにくるは、蜂か蝶か、風か雨か、はたまた雀であろうとも。個はなく、個はあり、来年も必ず咲くのであった。
――nijino noran
おやすみなさい。
nijino noran.
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